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何ひとつ実感できないまま、高校生活というバスが終着駅に着こうとしてた。
体育館はすでに在校生挨拶も卒業生のスピーチも終わって、卒業証書授与の手続きが始まっている。 今年度の生徒会長が、壇上に呼び出されてうやうやしく卒業証書を受け取ると、各クラスの担任が、生徒の名前を呼ぶためにマイクの前にスタンバイしてた。 私のクラスまではまだまだ時間があるなぁ。 体育館の高い天井を見上げて、早く終わらないかなって思う。 高校生活はこれっきり、なんて実感は全然わかなかった。 時々聞こえるクラスメイトのしゃくりあげる声とか嗚咽とかも、舞台から見る客席の中の出来事見たいな気がして、あぁ、高校生活って舞台はそんなに楽しかったんだ。そういう舞台なら私も見たかったなぁって漠然と思っただけ。 振り返ってみると、こんな感想を持つほど私の高校生活はつまらなかったわけじゃないんだけど。 いざこの場所に来て見ると、現実と感情の間には重い重い緞帳が垂れ下がっていて、卒業の儀式は私を舞台の外に連れ出してくれなかったんだ。 「3年A組、相澤勇」 途端に、心臓が跳ね上がった。 完全に油断してた。 そっか、出席番号って50音順だし、A組だから。 一番最初に呼ばれることなんて、考えたらすぐにわかったのに。 周りの人に気づかれないように、殊更なんでもないように、というか、全く何にも反応してませんって顔をして、しれっと壇上に向かうユウ君を見た。 卒業するんだなあって実感が、じわじわと胸のうちに広がっていって、その時ようやく、これが最後かもしれないんだって思ったんだ。 PR |
簡単に言うと、言葉にして確認してないことは全部一方通行という事。
それっていらない誤解を生んだり、すれ違いの原因になったりするけど。 たまになら、そういうのって悪くないって言うか。 一方通行なのも素敵なんじゃないかなあとかね。 インピュリティ・ゴーレム(Eno576)さんは、合理主義っていうか、私達とはどうも違う理性と感情でもって動いてるみたい。そういう人と仲良くなるのはとても難しいよね。 だから、せめてね。 私はあの人の友達だって、まずは思いこんで見ることにしてるんだ。 まずはね。 |
友情ってなに? 恋愛感情って何? 友達と恋人の境目は?
友達に聞いたら教えてもらえたけど、何度聞いてもやっぱりフワフワしてて、じゃあ、私と相澤君は付き合ってるのかなあって考えてみたけど。いまいちピンことなかった。 私と相澤君を指して、あの子たち付き合ってるんでしょ? なんて噂もたまに耳にしたりするんだけど、カァっと恥ずかしくなる気持ちを抑えて、ちょっと考えてみる。すると、そうだっけ? 私達付き合ってるってことでいいんだっけ? って、聞き返したくなっちゃう。 大丈夫、あなたたちの関係は恋人同士であってますなんて神様が認定してくれたらわかりやすくていいのに。 |
アルバイト、遺跡の探索、それから、シーエルダー号のお手伝い。 偽島での私の仕事で、日常。 座礁して、船底に大きな穴が開いたシーエルダー号を見上げる。シーエルダー号は今草刈の真っ最中みたいで、船長さんの知り合いが沢山集まって、武器やら鎌やらを持って大騒ぎしているのが遠目にもわかった。 マストにかかった太陽に目を細めて、サンバイザー代わりに額に手を当てると、甲板から縄梯子が下りてるのが見える。 ここに来るたびに思うのだけど、あれ、怖いよね。足をかけるとぐらぐらするし、揺れる。 ひょいひょいっと上っていく、時には自分の羽で飛んで上る人たちを見ていると、めまいがしてくるくらい。 足をかけて、おっかなびっくり上っていくと、ちょうど上で指示を出していた船長さん(Eno244 エイテン=U=フォーロックさん)が、手を差し出して引っ張りあげくれた。 怖いけれど、ちょっとした役得もあるかも。 |